あっという間にやっと来る明日達。明日に光がないわけない。前向きにしか生きられない。

明くる日、私達は歩いていた。この街は、人が多すぎてなかなかまっすぐ歩けない。障害物のような人達が、私達の進行を妨げる。

明日に飽くる日。

そして、ようやくたどり着いたのは一軒の店。狼煙には『焔』と書いてある。ほむら 入り口の看板の隅には小さくそう書かれていた。

中に入ると、店内はガランとしていた。がらんどう。客ひとりどころか、店員ひとりすら見当たらない。「すいませーん。」私達は声をあげた。

返事はない。

「すいませーん。」もう一度。

気が付いたら私達は違うところにいた。右も左もない。上も下もないところ。私達しかいない。他には誰も見えない。

昨日まで私達は幸せだった。いや、幸せだと感じていただけかもしれない。でも、それが幸せってものかもしれない。とにかく、幸せだった。いつかこの幸せに飽きてしまう日が訪れてしまうかもしれない。そんなとんでもないことを考えたりしていたんだった。

そして訪れた飽くる日。何もかもがつまらない。つまらない時はどうしたらいいんだ。楽しみを見つければいいのか。そうだね。楽しみを探しに行こう。

こうして、私達の物語は始まった。だけどいつからか、私は楽しいことが嫌いになった。楽しいことってそのうち終わってしまうから。楽しいことが終わったら、また楽しいことを探さなくてはならないから。楽しみを失う辛さが嫌になった。そして私達は楽しみを探さなくなっていった。

気付いたら私達は外にいた。周りには人がたくさんいた。知らない人がたくさんいた。

知ってる人じゃなくてよかった。何も気にせず、自分を変えることが出来るから。

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明日に光がないわけない。

あの日あの時、私達は光を失った。そして、長くて暗い時が流れ始めた…
あれは私達がまだ光を失っていなかった頃の話だった。

時間は光に依存しているって話をあなたから聞かされた。光の有り難みを実感しきれていなかったあの頃の僕は、ただ単純に科学的興味でその話を聞いていたような気がする。科学がそんなことまで説明してしまうのか。そんな衝撃を受けたんだった。だけど今になって、その話はさらに大きく深く私達に衝撃を与えた。

「あなたが言うように、時間が光に依存しているんだとしたら、光を失ってしまった私は、時間すら失ってしまったことになるんじゃないのかな?」
「いや、そんなことはないでしょ。だって時間は今も流れているじゃない。それにね、あなたは光を失ったわけじゃないよ。今も体で光を感じてるでしょ?今も体は時間を感じてるでしょ?」
「そうなのかな?そういうもんなのかな?いまいち納得できないよ。なんか最近よく考えるんだけどさ、時間を無駄にすることが、光を無駄にすることにつながるんだとしたら、人はまず、時間の無駄遣いを止めなくちゃ。そうしたらもっとエコエコ文化は発展していくよ。」
「あなたね、時間を無駄にするっていうのが、どういうことか分かっててそんな発言をしてるの?」
「え…時間を無駄にするっていうのは、その…つまり…、たとえば、高校3年間バスケを続ければよかったのに、ちょっとグレて不良になってバスケをやめてしまったりして、でもある時やっぱり気付いて、ずっとバスケを続けていればよかった…どうしてオレはあんな無駄な時間を…とか、そんな感じだよっ!」
「あら、そう…そういうことね…。」

もしも明日が暗闇ならば、一度光を照らしてみよう。だけどさ、そもそもさ、明日が暗いわけないよ。

だって明日って“明るい日”じゃん。光がないわけないよ。

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前向きにしか生きられない。

これからは、前を向いて歩こうって決めたのに。

どうしてもときどき下を向いてしまう。足元に何もないか不安だから。
どうしてもときどき上を向いてしまう。空を見ると心が落ち着くから。
どうしてもときどき後ろを振り返ってしまう。今の自分に自信を持ちたいから。

余計なことせずに前だけを向いて歩いていたら、もっと先へ進めてたはずなのに。
よそ見なんかしないで前だけを向いて歩くほうが、もっと速く先へ進めるはずなのに。

誰にも負けず、先へ、先へ。

いったい、その先には何があるのか。人生のゴールってあるのか。そのゴールに先着順ってあるのか。

だとしたら、まだあんまりゴールなんかしたくないな。

やっぱり、もっともっと寄り道ばっかしてようかな。

でもさ、だけどさ、そもそもさ、前ってどっちなの。

今、私が向いているこっちが前で、その反対側が後ろでしょ。
今、私があっちを向いたら、そのあっちが前になるでしょ。

もしかしてさ、ひょっとしたらさ、私って前向きにしか生きられないんじゃないかな。

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